「福島県の漁業の復興と汚染水処理問題」シンポジウムのお知 らせ
■日本有機農業学会よりのお知らせです
2011年3月11日の東日本大震災に伴って起こった福島第一原子力発電所事故は、
大量の放射性物質を大気、土壌、海洋にふりまき、10年たった今もデブリを冷や
すための注水に加え、建屋に流れ込む地下水や雨水のために高濃度の放射性汚染
水が日々発生しています。政府は、地元漁業関係者をはじめとして、環境への放
出を危惧する多くの人々の猛反対を無視し、再処理して希釈した上で海洋放出さ
せることを、2021年4月13日に閣議決定してしまいました。
震災から10年、福島の生産者および流通・観光業関係者は、これまで食の安全と
信頼を回復し、風評被害から立ち直るため、涙ぐましい努力を続けてきました。
東電、政府はまたも原発事故後の課題を矮小化して国民が真剣に考える公論の場
を作らせず、また地元福島に追加の被害を強いながら異論を封じています。
この今回のトリチウム海洋放出問題について、その危険性や信頼性についての数
々の懸念と、福島原発事故からの農林水産業の復興の現状と今後について理解を
深めるため、事故後の復興に関わってこられた方々とのシンポジウムが企画され
ました。
河田昌東さんは分子生物学者である一方で福島の空間線量を計測し続け、また南
相馬市の「菜の花・なたね油プロジェクト」の支援も続けておられます。海洋放
出すると言われる汚染水の処理水に含まれるトリチウム水(HTO)は、水(H2O)
と変わらない分子構造をしているため容易に体内の組織に取り込まれます。河田
さんには、人体を内部被ばくにさらすトリチウムを長期間大量放出することの危
険性と分離・管理していく必要性についてお話しいただきます。
福島大学農学群食農学類の准教授の林薫平さんは、福島県地域漁業復興協議会に
属して福島の水産物の販売の促進や6次化(1次・2次・3次それぞれの産業を融合
すること)に向けて取り組んでいらっしゃいます。汚染水・処理水の問題につい
て地元漁業者が直面している悩みや今後の全国の市民による支援の課題(廃棄物
を福島に押し付けることに慣れっこにならないことなど)についてお話しいただ
きます。
福島県郡山市在住の八巻俊憲さん(武谷三男史料研究会会員、元福島県立田村高
校理科教員)は技術論からみても政府の打ち出した施策は妥当性がないと指摘し
ています。司会もかねて問題提起をしていただきます。
福島県民が置かれている現状を多くの方に知って頂くため、シンポジウムの様子
は、YouTubeでも発信し、多くの人びとに共有していただく予定です。
開催日時: 2021年5月30日(日)13時~15時 参加受付開始12時30分より
テーマ : 福島県の漁業の復興と汚染水処理問題
司 会 : 八巻俊憲さん(武谷三男史料研究会会員、元福島県立田村高校理
科教員)
講 師 : 河田昌東さん(分子生物学者、NPO法人チェルノブイリ救援・
中部 理事)
◎トリチウムを管理する必要性
講 師 : 林 薫平さん (福島大学農学群食農学類准教授)
◎福島県の水産業の復興の現状から全国の市民に問いたいこ
と
参加費 : 無 料
予約方法: 参加は事前予約とします。(予約受付は、即日から5月26日まで)
予約は名前(ふりがな必須)、連絡先(E-mail必須)、職種・団体(任意)
を明記の上、E-mail:jreikochan(a)yahoo.co.jp 神野玲子へ申し込みください
こちらからもお申し込みできます。
*連絡先のE-mailアドレスを誤ると参加案内が送れませんのでご注意を!
問い合わせ先: E-mail :jreikochan(a)yahoo.co.jp またはこちらから携帯電
話:090-2669-0413 神野玲子
主 催 : people21、武谷三男史料研究会、ゲノム問題検討会議、DNA問題
研究会
協 賛 : 現代技術史研究会M分科会